最近、絵本の読み聞かせ時間で感情表現の絵本の話をするとき、4歳の子供はいつもとても興味津々でじーっと話を聞いています(びっくりするほど静かに 笑)。
私自身は学生時代から心理学の分野に興味深く、子どもが生まれてからなんとなく気持ちに関する絵本をたくさん手に入れました。
子どもにとって堅苦しいかなと思いながらも、なんとなく読み聞かせてきましたが、ここ最近本当にいままでとまったく違うような反応になってきているので、なんでだろうーと。
敏感期かな。発達かな。
色々と自分なりに解釈してみたところで、渡辺弥生先生の『考える力、感じる力、行動する力を伸ばす 子どもの感情表現ワークブック』を読んだときに、腑に落ちました。
「4歳になると、他人への共感の能力が発達する」と、渡辺先生の本ではっきりと書かれたいました。
なるほど。
我が子は、絵本の主人公やストーリーなどに共感できるようになったんだね、と理解しました。
渡辺先生の本では、感情に関する知識や発達などについて分かりやすく書かれていて、そのうえ、感情を育てる具体的なワークを幼児~小学校低学年、小学校低学年~小学校中学年に分けて詳しく紹介されています。
興味ある方はぜひ読んでいただければと思いますが、渡辺先生が述べる「感情リテラシー」について引用させていただきたいです。
感情リテラシーとは、4つの側面があります。
個人差があるものの、目安の発達特徴や時期と照らし合わせてトレーニングしていくと良いと言われています。
※引用:渡辺弥生『考える力、感じる力、行動する力を伸ばす 子どもの感情表現ワークブック』
感情リテラシーで分かるように、感情は私達の思考や行動に影響するものであり、人間の一生でとても大切なことです。
子どもの長い人生の中で、感情に翻弄されるとき必ずどこかで直面すると思うので、親としてできる最低限のことは、幼少期から感情リテラシーを高めるための取り組みを一緒にしてあげることではないでしょうか。
家での取り組みのなかで、一番ハードルが低いことは、絵本の読み聞かせだと思います。
絵本の読み聞かせは、たったの10分でもできることだからです。
忙しくても、1日10分だけ、必ず子どもの感情リテラシーを高めるための時間を作る!
という方のために、我が家で実際に使ってきて、小さい子供でも興味がでやすい感情の絵本に関してご紹介したいと思います。
《本記事で紹介する絵本》
- カラーモンスター きもちは なにいろ?(The Colour Monster)
 - THE FEELINGSシリーズ
 - やだやだベティ(Betty Goes Bananas)
 - ガストンのきぶんをととのえるえほん(How Are You Feeling Today?シリーズ)
 - The Way I Feel Bookシリーズ
 
【2歳頃から】子どもの感情表現を養う絵本
ブリッジェス(Bridges)が提唱した情緒の分化樹系図によると、赤ちゃんは生まれた時は、興奮という感情しか持っておらず、発達に伴って徐々に持っている感情の幅や種類が増えていきます。
2歳頃になると、大人が持つような感情へ分化していき、そして5歳になると、大人とほぼ同じの感情形成が出来上がりると言われています。
気持ちの分化樹系図を意識して、ほとんどの感情が持ち始める2歳からのトレーニングに役立つ絵本をご紹介したいと思います。
【子どもの感情表現を養う絵本①】カラーモンスター きもちは なにいろ?(The Colour Monster)

『カラーモンスター きもちはなにいろ?』(The Colour Monster)は、スペイン作家Anna Llenasさんが「うれしい、かなしい、おだやか、ふあん、いかり」の5つの気持ちを色に分けて紹介してくれる絵本です。
◆対象年齢:2歳児~小学校1年生ぐらい
我が家では台湾中国語バージョンを持っていますが、子どもが4歳になってからはじめて読み聞かせたときに、言葉のシンプルさに惹かれました。
読み終わった途端に子供に「あなたのきもちはなにいろ?」と聞いたら、すぐ「きいろ(うれしい)」と回答してくれました。
1回読み聞かせただけで、スッと子どもの頭に入る内容です。
シンプルな絵とシンプルな文字で、「うれしい、かなしい、おだやか、ふあん、いかり」の5つの気持ちを説明してくれることは、『カラーモンスター きもちはなにいろ?』の一番良い所だと思います。
感情に関するボキャブラリーを持っていないと、自分や他者の気持ちを気付くことはできません。
『カラーモンスター きもちはなにいろ?』のシンプルさから、『カラーモンスター きもちはなにいろ?』は子どもが感情のボキャブラリーを知るための入門書だといっても過言ではないです。
気持ちの細分化が進んだ2歳頃からの読み聞かせ絵本を探している方、初めて気持ちの絵本を読み聞かせたい方に、ぜひ子供と一緒に読んでいただきたい一冊です。
ちなみに、『カラーモンスター きもちはなにいろ?』は小さいこともが大好きの塗り絵ワークブックもありますので、絵本と一緒に楽しめて頂ければと思います。
◆日本語で読む:カラーモンスター きもちは なにいろ?
◆英語で読む:The Color Monster
【子どもの感情表現を養う絵本②】やだやだベティ(Betty Goes Bananas)

『やだやだベティ』(Betty Goes Bananas)は自我が芽生え始め、なんでも自分でやりたいゴリラベティの物語りです。
◆対象年齢:2歳児~5歳児(特に2~3歳のイヤイヤ期の子どもにおすすめ)
バナナを食べたいのに、皮うまく剥けないベティ。
大騒ぎしてもバナナの皮は剥けれるわけがないと教えてくれる鳥さん。
イヤイヤ期の子どもを育てるママにとって、どこかで見たことある風景だと思います。
小さい子供にうまくいかないときの対処法や、思考転換を押してくれる一冊です。
ベティのストーリーを通じて、イヤイヤ期ですぐぐずってしまう子供、うまくいかないことがあればすぐ大騒ぎしてしまう子供が、自分の負の気持ちと付き合っていくヒントを見付けることができると思います。
◆日本語で読む:やだやだベティ
◆英語で読む:Betty Goes Bananas
   
↑一人でBetty Goes Bananasを読む我が子
【子どもの感情表現を養う絵本③】ガストンのきぶんをととのえるえほん(How Are You Feeling Today?シリーズ)
『ガストンのきぶんをととのえるえほん』(How Are You Feeling Today?シリーズ)は気持ちのマネジメントを教えてくれるシリーズです。
◆対象年齢:2歳児~小学校高学年ぐらい
感情の起伏があるとき、だれでも、すぐできることは、呼吸を整えることです。
『ガストンのきぶんをととのえるえほん』(How Are You Feeling Today?シリーズ)は、怒り、悲しい、怖い、やきもち、恥ずかしい、眠れないなど、いろいろな場面で使う呼吸法を紹介してくれるシリーズです。
小さい頃は呼吸を整える意味をあまり理解できないかもしれませんが、遊び感覚で呼吸を練習し、長期間にわたって自分の気持ちと付き合う方法を体感で覚えていくと将来のどこかで役に立つと思います。
◆日本語で読む:怒り、悲しい
、怖い
、やきもち
、恥ずかしい
、眠れない
【子どもの感情表現を養う絵本④】The Way I Feel Book シリーズ

  
『The Way I Feel Book』 シリーズは癒し系のキャラクターがおかれる境遇を通じて、感情の定義や対処法を学べるシリーズです。
『The Way I Feel Book』シリーズのテーマは『THE FEELINGS』シリーズと似ているが、
ストーリーの長さが『THE FEELINGS』シリーズよりやや長いため、3歳以上の子どもにおすすめです。
また、『The Way I Feel Book』シリーズのなかにある「When I Feel Good About Myself」は「自信」の重要性を教えてくれる内容となっています。
小さい子供向けの絵本のなかではあまり見られないテーマだと思いますので、重宝にしている一冊です。
◆英語で読む:
SAD、WORRIED、MISS
、ANGRY
、SCARED
、CARE
、JEALOUS
、When I Feel Good About Myself
【子どもの感情表現を養う絵本⑤】THE FEELINGS シリーズ

『THE FEELINGS』シリーズは、世界中で20か国以上の言葉に翻訳されているTrace Moroneyさんのロングセラーの絵本です。
◆対象年齢:2歳児~小学校3年生ぐらい
主人公のウサギちゃんの出来事・気持ちを通じて、いろいろな感情の定義や、感情をマネジメントする方法を知ってもらうシリーズです。
『THE FEELINGS』シリーズで出てくる感情は、SCARED、ANGRY、LONELY、NERVOUS、KIND
HAPPY、LOVE、SAD、JEALOUS、DISAPPOINTED等です。
主人公のウサギちゃんがとてもかわいく、ウサギちゃんが置かれたシチュエーションは子供の身近で出てくる場面が多く、またウサギちゃんの反応や動きも子供がやりがちのことですので、小さい子供でも受け入れやすい構成になっていると思います。
しかし、一方で『THE FEELINGS』は『カラーモンスター きもちはなにいろ?』と比べると、難易度がやや高いと思います。
我が家では台湾中国語と英語併記の本を持っていますが、見ればわかる通り、一文一文がやや長めの印象があります。言葉の意味を完全に理解するまでは繰り返しや時間が必要かと思います。
2歳頃からはまず絵やストーリーを楽しみながら、感情に関するボキャブラリーを増やし、小学校入学頃から気持ちのマネジメントに焦点を当てる、というような使い方が良いかもしれません。
◆英語で読む:
SCARED、ANGRY
、LONELY、NERVOUS、KIND
HAPPY、LOVE、SAD、DISAPPOINTED、JEALOUS
その他子どもの感情表現に手助けしてくれる本
【マインドフルネス絵本】
・心が落ち着き、集中力がグングン高まる! 子どものためのマインドフルネス
・ABC Mindful Me: ABCs for a happy, healthy mind & body
・My First Yoga: Fun and Simple Yoga Poses for Babies and Toddlers
【感情マネジメントのワークブック】
・学校と家庭でマインドフルネス! 1分からこころの幸せ・安心を育む63のワーク―感情の知性(EQ)を伸ばす(※詳細はこちらの記事をご参考ください)
・考える力、感じる力、行動する力を伸ばす 子どもの感情表現ワークブック
  
  
  
  





コメント