子どもの英語読み書き基礎として開発されたフォニックス(Phonics)。
「おうち英語で子供にフォニックス教えたいけど、どこから始めれば良いかが分からない」とお悩みを持っていませんか。
おうちフォニックスを始めたいけど始め方がわからない、といったママ・パパ向けにおうちでのフォニックス指導の進め方をご紹介したいと思います。
◆主教材:Jolly Phonics(ジョリーフォニックス)
◆指導者:「初心者」「英語苦手」のママ・パパ
◆指導対象者:フォニックス学びの初心者(幼児・小学生想定)
振り返ってみると、我が家はコロナがなければ、おうちフォニックスを始めていないかもしれません。
子どもが3歳になる頃にコロナ第一波に直面し、積極な外出自粛の生活に切り替えざるを得ませんでした。せっかくの3歳という言葉が急速に発達する時期で、どうにか子どもの学びが止めないようにしたいという思いから、急いでジョリーラーニング社公認トレーナーによるトレーニングを受け、自宅で試行錯誤をしてきました。
自分自身も初めてフォニックスを教えることですし、子どもが乗る気がなく暫くフォニックスをやっていない時期もあり、不安がないわけではなかったですが、おうちフォニックスを取り入れてから一年弱過ぎたごろ、子どもが分からない単語をパッと見せられたとたんに、フォニックスルールに沿って発音しようとする姿が見られました。
Blendingの力が身に付いたなと思った瞬間でした。
親としてとても嬉しかったです(泣)
では、我が家の取り組みを踏まえつつ、おうちで子供にフォニックスを指導する際のポイントについて解説します。おうちフォニックス初心者のママ・パパ、おうちで子どもにフォニックスを教えることになんとなく不安を持つ方などの参考になると嬉しいです。
フォニックス(Phonics)学びのロードマップ
我が家でのおうちフォニックス学びは、Jolly Phonics(ジョリーフォニックス)を主教材として使っていて、我が家でが実施しているフォニックス学びのロードマップは以下になります。
本記事では、入門よりさらに少し踏み込んだおうちフォニックスの進め方を念頭に記載しています。
(幼児のフォニックス学びロードマップの、「フォニックスの基本音を読める」フェーズから「Tricky Words、Alternativesを読める」フェーズまでのおうち取り組みに関する記載になります)
入門レベル(「英語に対する感度を高める」フェーズから「ブレンディングを学び始める」というところまでです)の取り組みについては、別記事↓↓をご覧ください。
フォニックスとは何か?
おうちでのフォニックス進め方に入る前に・・・そもそも、フォニックス(Phonics)とは何でしょうか。
一言でいうと、フォニックスとは、英語の読み書きのルールです。
英語には、ほとんどの単語は規則性があり、英語の文字(綴り字)と発音の間のルールを表すのがフォニックスです。
例えば、tubという単語を始めて見た子どもがいるとします。
フォニックスを身に付いている子供ははじめてこの単語をみたときでも、フォニックスルールに沿って /t-u-b/ のように、一つの単語を構成する音を一つずつ繋げて、自分で単語の読みを分かるようになります。
フォニックスのトレーニングを重ねていくと、目で読んだ文字を音にしたり、耳に入った言葉を文字にしたりすることを自然にできるようになるのです。そして、子供が独力で本を読めたり、文章を間違いなく書いたりすることができるようになるのです。
【おうちフォニックスの進め方 Step 1】まずはJolly Phonicsの基本音(letter sound)に慣れるところから
おうち英語でフォニックスを学ぶ最初のステップは、フォニックスの規則性を理解することです。
つまり、英語の綴りをどう発音するかを学ぶことです。
例えば、aが短母音の時は「ア」、長母音の時は「エ」と発音します。
「tap」と「tape」は前者が短母音、後者が長母音であり、フォニックスを身に付いている子供がパッとみてすぐわかるはずです。
しかし、フォニックスの規則性を学ぶために、教科書にそって文法のように教えてても、子どもはすぐ覚えられません。特に、幼児にとって「ルールだよ」と言われても、まったく意味を理解できないはずです。
では、この単調で面白くないルールをどのように子供に楽しく学んでもらうでしょうか。
ジョリーフォニックス(Jolly Phonics)では「Jolly Songs」(付属CD有)を使います。
Jolly Songsを楽しもう
Jolly Songsでは、子供が馴染みのあるMother Gooseソングの替え歌として、42のフォニックスルールそれぞれが曲として作成されています。そして、母音a,e,i,o,uを学ぶための曲も1曲あります。
フォニックス教材で、フォニックスの曲が用意されていることは珍しくないと思いますが(例えば:Letterlandもフォニックス曲が用意されている)、ジョリーフォニックスの特徴は、フォニックス曲をアクションと一緒に学ぶ点です。
フォニックス音のアクションはJolly Songsとともに記載されていますが、ジョリーラーニング社の公式サイトからもダウンロードできます。
◆Jolly Phonics Actions DOWNLOAD
ジョリーフォニックスアクションは幼児でもできることを意識した動きなので、初心者のママにとっては難しいものではないと思います。
初めてはアクションの解説図と説明文は何を意味しているのかを理解するのに少し時間が要するかもしれませんので、ママがアクションを一通りやってみてから、子どもと一緒にJolly Songを楽しめることがおすすめです。
Jolly Songsの取り入れ方
では、おうちで子どもたちにどのようにJolly Songsを教えるのでしょうか。
家庭によっては考え方が異なると思いますが、主に以下2通りかと思います。
- ①きちんと「フォニックスの時間」を確保し、子どもと向き合ってひたすらJolly Songsを学ぶ
- ②毎日の遊びの中に、Jolly Songsを聞き流し、少しずつアクション学びを取り入れる
我が家は上記二つのやり方を混合でやっていました。
最初に学ぶ際は①のように集中してやっていて、子どもがある程度アクションを覚えるようになってからは②がメインでした。
ちなみに、一番目のJolly Songsを一気に聞く方法ですが、42音+母音の曲を一気に流しても所要時間は15分程度です。長い時間ではないと思いますので、幼児でも集中して学べます。
ぜひお子さんにとってどの方法が適切なのかを試してみてください。
(参考)
ジョリーフォニックスに関して日本語の解説が欲しい方にははじめてのジョリーフォニックス ―ティーチャーズブック―(日本語表記)がおすすめです。※付属CDに基本音42音とJolly Songsが収録されています
【おうちフォニックスの進め方 Step 2】次はJolly Phonicsの基本音を書いてみる
おうちで子供がフォニックス音がある程度理解できるようになったら、フォニックス基本音の書く練習を始めましょう。
ただ、無理やりに書かせる必要はないと思います。
モンテッソーリ教育では、3~5歳ぐらいを書くことの敏感期としていて、個人差がありますが、子供が書くことに喜びを感じるサインが出始めた時期にフォニックス基本音の書く練習をスタートすれば良いと思います。
書く練習を行う際に、Jolly Learning社の無料ワークシート「Cartoonito Activity Sheets」を使うと良いでしょう。
◆Cartoonito Activity Sheets DOWNLOAD
Cartoonito Activity Sheetsは、ジョリーフォニックスのグループ分けに対応して、1~7グループのワークシートが用意されていますので、Jolly Songsを流しながら順番に書いていくと子供も覚えやすいと思います。
ちなみに、もうすぐ5歳になる我が子は、3.5歳頃(3か月頃ぐらい続いた)と、今の5歳になろうとする時期に、爆発に「書きたい!」というサインが見られました。
3.5歳頃はちょうどジョリーフォニックス半年過ぎていて、フォニックス音にだいぶ慣れてきた時期でしたので、タイミングよく、フォニックス基本音と文字の形のリンクを紐づく練習をたくさんしました。
【おうちフォニックスの進め方 Step3】ブレンディング(Blending)は遊びから学ぶ
おうちで子供がフォニックス基本音の文字の形をある程度認識できるようになったら、ブレンディング(Blending)の練習を加えていきましょう。
では、ジョリーフォニックスにおけるブレンディングとは何でしょうか。
簡略に解説します。
ブレンディング(Blending)を理解しよう
ジョリーフォニックス(Jolly Phonics)におけるブレンディング(Blending)を一言でいうと、ブレンディング(Blending)とは(文字の)音の合成です。
もう少し具体的に。
例えば、これまで学んできたフォニックス音のh、e、nを単独で見る場合は、意味がある文字ではありません。h-e-nが合成して(つなぎ合わせて)初めて意味がある文字「hen」(雌鶏)になります。
つまり、ブレンディングは、フォニックス音を結合して意味がある文字を読めるようになるための練習です。
もう少し補足すると、ブレンディングがある程度理解できるようになると、ブレンディングとは逆作業のセグメンティング(Segmenting)を加えていきます。
ブレンディングとは、フォニックス音を単語につなぎ合わせていく作業ですが、セグメンティングとは、聞いた単語をフォニックス音に分解していく作業です。
henの例からすると、henを聞いたら、h-e-nに分解できるように。
つまり、セグメンティングの練習を通じて、文字を書けるようになります。
ブレンディングとセグメンティングを積み重ねていくと、英語の「読み」・「書き」の基礎が整えるので、両方ともしっかり練習していく必要がありますが、幼児向けのおうち英語の取り組みにおいて同じアプローチでの応用になると思いますので、本記事ではブレンディングを中心におうちでの取り組みについて解説していきます。
ブレンディング(Blending)は楽しさの中から学ぶ
おうちで子供たちにどのようにブレンディング(Blending)を教えるのでしょうか。
我が家では、Input と Output を意識して、以下の2通りで日常生活の中に取り入れています。
- ① Input:BBC の Alphablocks(ネイティブ幼児向けフォニックス学びのアニメ)を活用する
- ② Input / Output: 工作やゲームなど日々の遊びにフォニックス要素を入れる
①のAlphablocksについて
(詳しく別記事に記載していますが)AlphablocksはA~Zキャラクターを主人公としたイギリスの幼児フォニックス学びのためのアニメです。幼児のフォニックス学習段階に応じてlevel1~level5短編アニメ(1話3~5分程度)がYoutubeで無料で見れます。
Alphablocksの楽しいエピソードを通じて、子供はフォニックス音がどのように文字になるのかを自然に身に付けますので、おうちで1日1話だけでも、継続に視聴していくと、子供のブレンディング力や語彙量がどんどん伸びている実感ができると思います。
◆Alphablocks level1 level2 level3 level4 level5
②の日々の遊びについて
おうちでどのように子供たちにブレンディングを教えるのでしょうか。
ネイティブの子供であってもすぐブレンディングができるわけではありません。
ブレンディング力は英語の大量なインプットとアウトプットを積み重ねていく中で習得するものです。
しかし、一般的に、非ネイティブ圏の子供はネイティブ圏と比べると、英語を浴びる機会がだいぶ少ないため、フォニックス学びにおいて、同じメソッドであっても非ネイティブの子供がフォニックス習得するのに時間が掛かってしまう傾向があります。
非ネイティブの家庭でブレンディング学習する際に、大切なポイントは、おうちで「ネイティブ家庭の疑似体験」をたくさん経験させることだと思います。つまり、できるだけ、生活の中で英語を使い、語感を高めていくことです。
特に、ブレンディングの学習においてです。
ネイティブ家庭の疑似体験をさせるために、やり方が多くある中で、我が家では、ブレンディング学びを意識して遊びのなかで取り入れています。
例えば、我が子が大好きな工作時間にフォニックスのブレンディングを取り入れたフォニックスゲームを作ったり、ブレンディングに慣れてもらうためにフォニックスをパズルやすごろくなどの遊びに取り入れたりしています。
アイディア次第で、子供の想像力を引き出しながら、フォニックスのブレンディング力を高められるので、ぜひお子さんの特性に合わせて工夫してみてください。
◆フォニックス×クラフト例
◆オリジナルフォニックスパズル
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