『おうち英語を始めたいけど、どこから始めるのかが分からない』
『フォニックス学びって、とにかくコストを抑えて、おうちでやってみたい』
『無料でフォニックスを学ぶ方法を知りたい』
本記事は、とにかく、手軽におうち英語、おうちフォニックスをやってみたい方向けに、無料教材だけを利用したフォニックス学習の進め方について解説したいと思います。
英語苦手の方でも超初心者でも分かりやすいことを意識して書いた内容になりますので、これからおうち英語・おうちフォニックスを始めたい方、おうち英語・おうちフォニックスを一度つまづいた方などにお役に立てると嬉しいです。
フォニックス(Phonics)って何
フォニックスって??
難しいイメージを持たれているかもしれませんが、一言でいうと、フォニックスとは、英語の読み書きのルールです。
ほとんどの英単語には、スペリング(Spelling, 綴り)と発音の間に規則性があります。フォニックス学びは、つまり、スペリングと発音の間の規則性を学ぶことです。
もう少し言うと、一つ一つのアルファベット(alphabet)や二重音字(digraph)の発音ルールを学んだうえ、一つの単語を構成する音を一つずつ繋げること(=Blending, ブレンディング)を学ぶことが、フォニックス学習の軸なんです。
例えば、/d-o-g/で「dog」、/f-i-sh/で「fish」のように、それぞれのアルファベットや二重音字の発音ルールを理解し、それらを繋げる練習を重ねることで、初めて見る単語でも読めるようになり、暗記しなくても単語を書けるようになるのです。
フォニックス学習のメリットは?
フォニックス学習はさまざまなメリットがありますが、コンパクトで3点にまとめると、
- 目で見た単語・知らない単語を正しく発音できるようになる
- 耳で聞いた単語を正しくスペリングできる・書けるようになる
- 発音記号に頼らなくても、単語を丸覚えしなくても英語が読めるようになる
といったことがフォニックス学びの効果です。
もう少し詳しくみてみると、例として、アルファベットを識別できる5歳の子供が初めてbed, bee のような簡単な単語を見たとき。
Synthetic Phonics(シンセティック・フォニックス)アプローチで英語学習している子供Yと、「AはApple」のようなLook and Sayメソッドで単語丸暗記のアプローチで英語学習している子供Zは、どのような差があるのでしょうか。
フォニックスが分かる子供Yは、/b-e-d/でbed、/b-ee/でbeeのように、初めて見る単語でもすぐ読めるはずです。
さらに、短母音と長母音を理解できているのであれば、bedは短母音の単語、beeは長母音の単語だと即答できるはずです。
一方で、単語丸覚えのアプローチで英語を学んでいる子供Zは、初めて見る知らない単語に戸惑うことになると思います。
フォニックス学びのロードマップ
無理をせず、スモールステップで学習することが、効果的なフォニックス学びの進め方のカギです。
上図の「フォニックス学びのロードマップ」は、おうちで、スモールステップで、フォニックス学習を実践するマイルストンを示すものです。
このロードマップに沿って、Step 0の『英語に対する感度を高める』~Step 3の『ブレンディング(Blending)ができる』について、無料教材だけを利用したフォニックス学習の進め方を具体的に解説します。
【おうち英語】無料教材だけを利用したフォニックス学習の進め方 Step 0 –英語に対する感度を高める
フォニックス学習のステップ0は、英語に対する感度を高めることです。
Step 0(英語に対する感度を高めること)において最も重要なのは、できるだけ多く良質な英語の音をインプットすることです。まだフォニックスの基本音をしっかりと理解する必要はありません。とにかく英語耳を養うことが第一です。
おうち英語で、無料教材だけでフォニックスを始めたい超初心者の方には、Youtubeで無料の良質な子供向け英語ソングや、アニメなどを利用することがおすすめです。
良質な英語の音声とは?
”良質な”英語の音声は、人によって定義が違いますよね。
別記事でも書きましたが、私が思う”良質”とは、我が子との相性が良く、子供が学びやすいものです。
人によって価値観が異なると思いますので、一概とは言えないですが、私が良質な英語音声教材を選ぶ際には、外せない3基準があります。
この基準を軸にした良質な無料英語音声リソースを紹介したいと思います。
無料で良質な英語の音声リソース3選
「Baby & Toddler – 12 to 35 months old」シリーズ
無料で良質な英語の音声リソースの1つ目は、YoutubeチャネルRock’N Learnの「Baby & Toddler – 12 to 35 months old」シリーズです。
①ネイティブ音声、②構文がシンプル、③単語や文を紹介する際には人間の口の動きを画面上で確認できることがおすすめのポイントです。
子供は真似から言語を習得するので、画面上で口の動きを確認できる点は、子供にとって発語を真似しやすくなりますね。
「English Singsing Phonics │ Story & Word song」シリーズ
無料で良質な英語の音声リソースの2つ目は、YoutubeチャネルEnglish SingsingのEnglish Singsing Phonics │ Story & Word songです。
①ネイティブ音声、②構文がシンプル、③Story, Rap, Songの三つのアプローチから楽しく英語に触れる、といった点がおすすめのポイントです。
「English Singsing Phonics │ Story & Word song」はフォニックス超入門シリーズで、ファベットのフォニックス音を学ぶシリーズになります。
一つのフォニックス音に対して、ストーリー、ラップ、ソングを通じて学べるので、たくさんの英語音を浴びることで子供の英語に対する感度も高まりますね。
「Kids Songs with the Mother Goose Club!」シリーズ
無料で良質な英語の音声リソースの3つ目は、YoutubeチャネルMother Goose Clubの「Kids Songs with the Mother Goose Club!」シリーズです(※2023/09/18現時点ではSeason1, 2があります)
Kids Songs with the Mother Goose Club! : Season 1
Kids Songs with the Mother Goose Club! : Season 2
①ネイティブ音声、②英語圏のこどもも使ってるシンプルなわらべうた、③ダンサーと一緒に歌って踊って学べる、といった点がおすすめのポイントです。
マザーグースは英語圏のわらべうたのようなもので、こども英語の入門教材として最適であり、おうち英語においてマザーグース(Mother Goose)は欠かせないですよね。
五感を使って学ぶほうが、子供にとってストレスなく学べるし、自発的な学びに繋がりやすいですので、Mother Goose Clubの「Kids Songs with the Mother Goose Club!」シリーズは特に月齢が小さい子供におすすめです。
【おうち英語】無料教材だけを利用したフォニックス学習の進め方 Step 1 –フォニックスの基本音を覚える
フォニックス学習のステップ1は、フォニックスの基本音を覚えることです。
Step 1(フォニックスの基本音を覚える)において最も重要なのは、フォニックスの基本音を慣れることです。
本サイトでおうち英語のフォニックス学び方法に関していくつかの記事を書きましたが、フォニックス基本音を覚えるために利用する有料教材は、五感を使って学べるJolly Phonics(ジョリーフォニックス)の『Jolly Songs』(ジョリーソングス)がおすすめです。(→詳しくはこちら)
Go Hairy Phonicsの無料リソース「Phonics Song for children」
では、フォニックスの基本音を覚えるのに有料教材のJolly Songsを使わず、無料教材だけを利用する場合、どのような教材が良いでしょうか。
入門ステップとして、YoutubeチャネルGo Hairy Phonicsの無料リソース「Phonics Song for children」というフォニックスソングが使いやすいと思います。
Go Hairy Phonicsの無料リソース「Phonics Song for children」アルファベットではなく、アルファベットのそれぞれのフォニックス音に焦点を当てる曲となっていますので、入門レベルのフォニックス音の知識を習得できるのです。
ただ、Youtubeで見れるGo Hairy Phonicsの無料ビデオは限りがあるため、入門以上のフォニックス知識をGo Hairy Phonicsで学びたい場合は、Go Hairyの有料なプランへの加入検討が必要かと思います。
Go Hairy Phonicsは、イギリス発のNessy Learning(有料、オンライン読み書き自習プログラム)の一部で、フォニックス動画だけではなく、フォニックスゲーム等もあり、現地の入学前子供(4-6歳)向けのフォニックス学習プログラムです。
特徴を簡単にまとめると以下の通りです。
Go Hairyの特徴
- 子供の読み書き力を上達させるための指導策略を提供
- ネイティブ音声、子供が親しみやすい構文・コンテンツで構成
- ゲーム要素が多く、子供が自発的に学べるようになる
- フォニックス入門編のGo Hairy(現地4-6歳レベル)が終えたら、 Nessy Reading and Spelling(現地6-11歳レベル)に進めて学びを深めることが可能
ちなみに、Apple, Androidのほか、Amazon Fire Kids タブレットでも手軽にGo Hairyのアプリ(Amazon Fire KidsはHairy Letters、Hairy Words 1、Hairy Words 2)を使えます。
Nessy、Go Hairy Phonicsについて、EmilieMamaの記事が参考になると思います。
AlphablocksのPhonics Songs
無料のGo Hairyから入門レベルのフォニックス音について習得したところ、もう少し踏み込んだフォニックス知識を無料リソースで学びたい場合、どのようなものがよいでしょうか。
イギリスBBCの子供向けフォニックス学習プログラムのAlphablocksがおすすめです。
Step 1におけるAlphablocksの活用方法は、Alphablock のフォニックスソングを中心に活用することが良いでしょう。
まずは、短母音単語を中心に、フォニックス音を学び、フォニックスの根幹にあるブレンディング(Blending)に少しずつ慣れていきます。
次は、複合子音や長母音の基礎に触れることで、フォニックスへの理解がさらに深まります。
【おうち英語】無料教材だけを利用したフォニックス学習の進め方 Step 2 –フォニックスの基本音の形を覚える
フォニックス学習のステップ2の学習目標は、フォニックスの基本音を読めるようになることです。
Step 2(フォニックスの基本音を読める)において最も重要なのは、フォニックスの基本音の形を覚えて、目に入った文字を読めるようになるというとです。
Step1で、耳で聞いたフォニックスの基本音を認識できたとしても、文字を読めるわけではなく、フォニックスの基本音とその形(=アルファベット)を紐づける必要があります。Step2は、フォニックス基本音と文字の紐づけを反復練習するステップになります。
ERDEKids(イアードキッズ)のフォニックス表
フォニックス基本音と文字の紐づけにおいて、フォニックス表を使うことがおすすめです。
姉妹サイトのERDEKids(イアードキッズ)のフォニックス表は、母音と子音が分かれていることが特徴です。
まだ文字を読めない幼児の場合は、フォニックス表をポスターとしておうちの見えるところに貼るだけで十分だと思いますし、アルファベットを読める子供については、フォニックスのワークシートも合わせて使うと良いでしょう。
【おうち英語】無料教材だけを利用したフォニックス学習の進め方 Step 3 –ブレンディング(Blending)力を身に付ける
フォニックス学習のステップ3の学習目標は、ブレンディング力(Blending)力を身に付けることです。
ブレンディング(Blending)って??
ブレンディングって、聞きなれない言葉かもしれませんが、一言でいうと、フォニックス学習におけるブレンディング(Blending)とは、フォニックス音の合成です。
もう少し詳しく言えば、/c-a-t/で「cat」のように、なんの意味ももってないフォニックス音を、一つずつ繋げて、意味がある単語に結合するプロセスがブレンディングです。
楽しくBlendingを学ぶには
Blending学習はフォニックス学びの中核であり、上達になるまで練習を重ねる必要があります。
しかし、子供に机の前に座らせて、ひたすら教材にそって/d-o-g/でdog、/a-n-t/でant・・・を暗唱しても面白くはありません。子供の学習意欲を損なうかもしれないし、ストレスとなってしまうと思います。
おうち英語でフォニックス学習を行う際に、小さい子供が楽しくブレンディングを学ぶには、工作やゲーム、歌や動画などを活用することがおすすめです。
ブレンディングの工作遊びについては別記事を公開していますので、本記事では無料のフォニックスゲームや、動画リソースについてご紹介します。
Blendingの無料プリント教具
Phonics Roll and Blend(フォニックスすごろく)
Phonics Roll and Blendは、ERDEKids(イアードキッズ)のフォニックス無料プリント教具です。
CVC単語(C子音- V母音-C子音で構成される単語)だけを使ったすごろくです。フォニックス初心者でもスラスラ読めることが特徴です。
ブレンディングの学びにおいては、とにかく目に入った文字を読んでみることが大切ですので、フォニックスすごろくを遊びながら、子供に発声を促してみてください。
Alphabet Recognizing Game(アルファベット記憶ゲーム)
Alphabet Recognizing Gameは、親子2人から遊べるアルファベットを使った位置記憶ゲームです。
ゲームルールはシンプルーーー『親が出題、子供が記憶して、子供が回答する』。
- 【親が出題する】
親が自身のゲームボードの任意箇所にアルファベットカードを置いて出題し、子供に10秒~1分間程度(子供のレベルに合わせて自由に調整してください)見せて、紙などでゲームボードの中身が見えないように隠す - 【子供が記憶する】
親からゲームボードを見せられたら、どのカードがどの位置にあるかを覚える - 【子供が回答する】
どのカードがどの位置にあるのか、覚えた内容を自分のゲームボードにアルファベットカードを並べる - 【答えを合わせる】
親の出題ゲームボートと子供の回答ゲームボードで答え合わせをする。子供ができた点について褒めてあげましょう
ちなみに、初心者で、ブレンディング練習目的でアルファベット記憶ゲームを使う場合、CVC単語を中心に出題すると効果が表れやすいです^^
Phonics Puzzle(フォニックスパズル)
Phonics Puzzleは、短母音中心のフォニックスパズルです。
おうち英語で、短母音の基礎単語を中心にブレンディングを練習したい方におすすめです。
Phonics Dice(フォニックスサイコロ)
ERDEKids(イアードキッズ)のPhonics Diceはジョリーフォニックス(Group 1~3)対応のフォニックスサイコロです。無料の英単語フラッシュカード付です。
フォニックスサイコロの遊び方例
- フォニックスサイコロを振って、出たアルファベットのフォニックス音を言ってみる
- フォニックスサイコロを使って、英単語フラッシュカード上の単語を作ってみる
- 保護者が単語を言い、子供がフォニックスサイコロを使って聞いた単語を作ってみる
フォニックスサイコロは、アイディア次第でいろいろな遊び方があるので、おうちでのBlending学習教具としていろいろと試してもらえたらと思います。
《参考》
おすすめおうち英語教材
モンテッソーリ式のSTEAM教育・おうち英語・中国語教材教具と教育情報
台湾出身のEmilieママとFacebookのプライベートグループおうち英語・中国語・STEAM交流グループ/Homeschooling by ERDEKidsを共同運営することになりました。
Emilieママは7歳と3歳のお子さんをお持ちで、ブログでは子供の中国語学習について発信しています。ブログの発信だけではなく、バイリンガル・マルチリンガル育児に興味がある方と双方向に交流をしたいとの思いから、Facebookのグループを組成することになりました。
どなたでも無料でグループに参加できますので、日本にいながらバイリンガル・マルチリンガル育児や子供の英語学習、中国語学習(台湾華語)にご興味がある方、ご参加をお待ちしております^^
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